【NCNO】エヌシーノ(nCino)の事業内容や業績・将来性について

銘柄分析

米国株で資産運用している yu (@yu_techs) です。

本日はnCinoについてご紹介したいと思います。nCinoは2020年にNASDAQに上場した金融機関向けにソリューションを提供している会社になります。

金融機関のサービスは莫大なシステム投資が必要ですが、世の中無数にある地方銀行などの中小金融機関は、そこまで多額の投資できません。

(日本でも地方の金融機関のサービスってUIが古かったり、洗練されているものが少く、顧客離れが加速していると思います。)

nCinoはそういった金融機関向けにサブスクリプションで、AI分析ツールや口座開設システムなどを様々なサービスを提供しています。

現在、時価総額も6000億円くらいと小さい会社ですが、成長率も非常に高く、販売形態はサブスクリプションであり今後が楽しみな企業になってます。

是非最後までご覧ください。

基本はIPOした際に提出されたS-1の情報を元に記載します。

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nCinoの会社概要

企業概要

エヌシーノは米国のフィンテック企業になります。

世界各地の金融機関向けにクラウド型銀行業務プラットフォームをSalesforceを基盤として提供します。

人工知能(AI)と最先端の分析を活用したデータ主導型の同プラットフォームは、融資業務や顧客獲得におけるインサイトを提供し、銀行業における生産性と効率性の向上を目指します。

 

銘柄情報

基本的な情報は以下にまとめます。

  • ティッカー:NCNO
  • 設立:2011年12月
  • 上場:2020年7月
  • 市場:NASDAQ
  • 時価総額:5,58Bドル
  • 従業員数:1,115人

(引用元:https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/profile/NCNO)

 

沿革

創業兼CEO(Pierre Naude)

nCinoは、2011年末にピエール・ナウデ(Pierre Naude)により創設されました。

厳密に言うと、ライブオーク銀行の会長兼CEOのジェームズ・チップ・メイハンIII世という人と共同で創設されたそうです。

彼らは以前より銀行の商業貸付の手続きは非効率的で時間がかかると考えており、銀行の透明性、効率性、収益性を高めつつ、規制コンプライアンスを確保できる、一体的なクラウド型ソリューションの必要性に気づきnCinoを創業しました。

nCino業務システムは、ライブオーク銀行で課題の解決を実現し、すぐに他の金融機関からも注目を集めました。

 

成長と発展

その後数年のうちに、nCinoの成長とグローバル展開を支援し、顧客の成功体験を実現できるよう

  • ウェリントン・マネージメント
  • インサイト・ベンチャー・パートナーズ
  • セールスフォース・ベンチャーズ
  • ベッセマー・パートナーズ

などが投資を行いました。

業界のニーズや製品の革新性が相まって、急成長していることを示す米国企業ランキング「Inc.500」に2度にわたりランクインしました。

現在、世界各地で、顧客サービスと製品イノベーションに向けた取り組みをしており、2019年10月には日本法人も設立し、日本の金融機関に向けて動き出してます。

  

nCinoのプロダクト

プロダクトの特徴

以下はnCinoの日本法人が独自性を示すためにオンラインカンファレンス「nCino Summit Japan 2021」で使用した資料になります。

(引用元:https://enterprisezine.jp/article/detail/13968)

nCinoの前身は米ノースカロライナ州のLiveOak銀行であり、その銀行での法人融資のために開発した社内システムが優れていたため、事業をスピンアウトし、nCinoとして2011年に独立したそうです。

また、Salesforceと同じプラットフォームで開発されているため、他のアプリケーションとの連携も可能であり、クラウドであるためスモールスタートが可能で導入のハードルは下がるそうです。

金融機関は独自でシステムを開発・保有することが多いので、nCoinのようなサービスは非常に革新的だと思います。

 

提供するソリューション

Client Onboarding(クライアントオンボーディング)

新規顧客を獲得するための製品です。

本製品は、金融機関が顧客との取引のリスクを評価すると同時に、顧客に効率的でパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを提供します。

また、身元確認やKYC(Know-Your-Customer)などの法規制への対応も可能です。

 

Loan Origination(ローン・オリジネーション)

商業用、中小企業用、リテール用のさまざまな融資商品をサポートするエンドツーエンドのローンオリジネーションアプリケーションです。

例えば、同社は中小企業庁のローンソリューションをPPP(Paycheck Protection Program)の要件に合わせて調整し、2020年4月に導入しました。

同社のPPPソリューションを使用して、彼らの金融機関の顧客は何十万もの申請を処理し、中小企業の顧客に500億ドル以上の資金を提供してきました。

また、同社の製品を使用することで、顧客は銀行が運用する規制の枠内に収めることができます。

 

Deposit Account Opening(預金口座開設)

リテール、コマーシャル、スモールビジネス向けに、当座預金、普通預金、デビットカード/ATMカード、マネーマーケット、譲渡性預金、退職金口座の開設を最適化する口座開設商品です。

そのプロセスはすべてデジタル化されています。

 

nCino IQ (nIQ)

FinSuiteとVisible Equityの買収により作成され、AI/MLを駆使した分析、自動化、光学式文字認識技術(OCR)を提供しています。

リアルタイムで動作し、顧客がエンドユーザーに対してよりパーソナライズされた体験を提供することを可能にするそうです。

nIQのプロダクトイメージ(1→2→3)

  1. 文書データをOCRでデジタルデータ化(手動でのデータ入力を減らす)
  2. デジタルデータを、包括的な業界データと機械学習モデルと組み合わせることで、信用リスクや収益性に関する洞察を計算
  3. 計算したデータをnCinoのエンドツーエンド・プラットフォームを通じて、適切な銀行員に適切なタイミングで提供

  

導入効果

公式HP(ncino.co.jp/platform/benefits-value/)によると以下のような導入効果が得られるそうです。

  • 営業費用の17%削減
  • 収益の19%増大
  • スタッフの効率性の22%向上
  • 融資のサイクルタイム減少
  • クロスセル、アップセルによる売上機会の増加

上記は一部抜粋してますが、導入することでかなりの効果が見込めるそうです。

 

ビジネスモデル

サービス

サブスクリプション

nCinoの収益の大半は前章で挙げたソリューションのサブスクリプション収益です。

以下がその課金体系になります。

  • nCino社の収益の80%はサブスクリプション方式(サブスクリプション料は毎年前払い)
  • 販売サイクルは一般的に長く、小規模な金融機関では6~9ヶ月、大規模な金融機関では12~18ヶ月以上
  • nCinoは、製品のインストールとオンボード化に大きな労力を要するため、契約期間は3〜5年は必須である。
  • 収益と顧客への導入を拡大するためにランド&エクスパンションモデルを採用(無料プランや小規模のプランなどを用意している)
  • 製品のオンボーディング、ローンオリジネーション、および預金口座開設アプリケーションは、シート単位で課金(固定課金)
  • nIQは、顧客の資産規模または使用量ベースで価格設定(従量課金)

 

プロフェッショナルサービス

サブスクリプションとは別に、システムの導入(implementation)や設定(configuration)の支援、トレーニング、アドバイザリーサービスを提供しています。

企業や大規模な地域金融機関の場合、通常はSI(システムインテグレーター)と協力してシステムの導入(implementation)サービスの大部分を提供しています。

nCinoは、SI(システム・インテグレーター)を利用して顧客の統合を支援しているそうです。(1,500人以上のSIコンサルタントがトレーニングプログラムを修了)

 

サブスクリプションとプロフェッショナルサービスの比率

年々サブスクリプション比率が増加しているのは良いことだと思います。これにより収益構造が改善され、利益率が上がると考えられます。

 

ユーザー(年間契約額)推移

以下はIPOした際に提出されたS-1 から拝借したコホート図になります。

コホート図はユーザの定着率や行動を可視化する際によく用いられます。

図を見てわかる通り、どの年に獲得したユーザも継続してACV(契約額)を伸ばしていることがわかります。

サブスクリプションの売上総利益率は60%台後半から70%台前半です。また、20年度はサブスクリプションの純収益維持率(NRR)が147%と非常に高いです。

コホート図からも1度契約してしまえば、契約額を維持および拡大していることがわかりますね。

 

売上高の米国比率

年々、米国以外のマーケットを拡大できてます。日本法人も設立されてますし、nCinoは海外展開にかなり積極的だと思います。

 

マーケット

金融機関の動向

2018年のEY社の調査によると、現在85%の銀行が事業の近代化のためにデジタルトランスフォーメーションを実施しており、60%の銀行が今後12カ月間にテクノロジー予算を少なくとも10%増加させる予定です。

さらに、世界の銀行の60%から80%が、今後3年間でクラウドテクノロジーへの投資を増やす予定であると回答しています。

また、金融機関のコンプライアンスコストは2017年以降、前年比で13%増加しています。

今は、どの業界もDXの転換点だと思いますので、金融機関のコンプライアンスコストなどを抑えるためにもすべてが包括されているnCinoのソリューションは需要が高まるかと思います。

 

市場規模

nCino社は、同社の銀行業務システムの総市場規模を100億ドル以上(1兆円)と見積もっています。

世界に28,000社あるといわれる金融機関は、テクノロジーに積極的な企業として知られておらず、厳しい規制の下で運営されているため、新しいテクノロジーの導入は困難ですが、その予算は膨大です。

ガートナー社の推計によると、2018年の銀行市場におけるソフトウェアのグローバルエンタープライズIT支出は6300億ドルで、そのうち180億ドルは垂直統合型ソフトウェアに対するものでした。

IDC社では、銀行業務におけるSaaSの収益は、2018年の130億ドルから2023年には290億ドルになると予測しており、CAGR(年平均成長率)は17%となっています。

 

競合他社

nCinoは、S-1において競合他社の名前を挙げておらず、同社製品の主な競合は、銀行自身が内部で構築した製品であるとしています。

nCinoは、今後競合他社が増加すると予想していますが、1つのプラットフォーム上の総合的な製品群への注力と、銀行の専門知識や評判が競争上の優位性であると考えています。

  

nCinoの業績・財務状況

各種データはFutubullより抽出してます。

業績

売上高

以下、売上高の推移になります。

YoYは40%~50%付近を推移してますね。他のSaaS企業などと比べ、YoYはそこまで大きくない印象です。

nCinoのサービスは導入するまでのコンサルなどサポートが必要のため、仕方がないのかなと思います。

その辺の体制強化が出来れば、需要があればYoYをもっと伸ばせるのかなと思います。

  

利益率

利益率はサブスクモデルの企業としてはかなり低いですね。

ただ、サブスクリプションサービスのみだと70%ほどですので、プロフェッショナルサービスの利益率が低いといえますね。

やはり金融機関向け基幹サービスなので導入コストが高いと考えられます。

  

EPS

EPSは赤字ですが、この時期のグローステック企業は仕方ないかと思います。

 

財務状況

バランスシート

バランスシートは健全に思えます。

  

営業キャッシュフロー(CFO)

この辺もハイテクグロースの初期はマイナスであるのは普通ですが、いつプラスに転換するかは注視したいですね。

 

まとめ

nCinoいかがだったでしょうか。

ポジティブな面として、純収益維持率(NRR)が147%はかなり脅威的な数字な点ですね。あのOKTAでさえ120%ですので、プロダクトの素晴らしさがこの数字からわかるのではないでしょうか。

ただ、売上高成長率や利益率は、他のハイテクグロース企業に見劣りするのは事実ですね。個人的にはあと2、3回の決算を見て、この辺の数字の変化を注視していきたいと考えてます。

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