いつも有難うございます。米国株で資産運用している yu (@yu_techs) です。
2021年5月18日に百度の2021 1Q の決算がありましたので、IR情報のまとめ、および決算の見解を記載したいと思います。
是非最後までご覧ください。
公式IRは以下ページから参照できます。
BIDU 2021 1Q 決算結果
サマリー
以下、アナリスト予想と実値になります。
2021 1Q 結果
- EPS: $1.89(予想:$1.67)
- 売上高: $4.29B(予想:$4.23B)【YoY+25%】
2021 2Q ガイダンス
- 売上高: $4.5~5.0B(予想:$4.67B)
EPS、売上高、ガイダンス、すべてOKの決算でした。
2021 1Q 総評
以下、IR冒頭の決算の総評(抜粋)
本日、インターネットを基盤とするAIのリーディングカンパニーであるBaiduは2021年3月31日に終了した第1四半期の未監査の財務実績を発表しました。
10年以上にわたるAIへの投資を通じて、マーケティング・クラウド、エンタープライズ・クラウド、スマート・トランスポーテーション、自律走行、スマート・アシスタント、AIチップなど、さまざまな分野にイノベーションをもたらすことができて光栄です。
AIがテクノロジーの成長の次のステージを後押しする中、多くのBaiduの卒業生が当社に戻ってきました。
Baidu Coreは、広告以外の収益が前年同期比70%増となったことにより、収益が前年同期比34%増となり、好調な第1四半期を達成しました
当社は、AIを活用したビジネスの急速な成長をサポートするために、営業、研究開発、オペレーションに多大な投資を続けていきます。
引き続き、販売、研究開発、運営に大きな投資を行い、AIを活用したビジネスの急速な成長を支えていきます。
2021 1Q 業績


- 総売上高は42.9億ドルで、前年同期比25%増
- Baidu Coreの収益は31.3億ドルで、前年同期比34%増。オンライン広告収入は24億8,000万ドルで、前年同期比27%増
- 非広告収入は、クラウドおよびその他のサービスが牽引し、前年同期比70%増の6億4600万ドルとなりました。
- iQIYIの収益は、前年同期比4%増の12億2,000万ドルとなりました。売上原価は22億9,000万ドルで、前年同期比2%増加しました。
- 研究開発費は、主に人件費に関連して、前年同期比15%増加し、7億7,800万ドルとなりました。
- 営業利益は4億2,600万ドルでした。Baidu Coreの営業利益は5億8,700万ドルで、Baidu Coreの営業利益率は19%でした
- 非GAAPベースの営業利益は6億6600万ドル。Baidu Coreの非GAAPベースの営業利益は7億7,300万ドルで、Baidu Coreの非GAAPベースの営業利益率は25%でした。
- 2021年2Qの売上高は45億ドル~50億ドルで、前年同期比14%から25%の成長率を見込んでいます
事業別のハイライト
AIクラウド
- 機械学習サービス「Baidu EasyDL」は、2020年12月にIDCが発表した中国での使用率評価で1位となり、2回目のトップとなりました。
- 2021年3月にv2.0にアップグレードされたBaidu深層学習フレームワーク「PaddlePaddle」は、Githubによると、プルリクエストに基づく利用率で世界のトップ3にランクインしました。
- 中国の大手リテール銀行がバイドゥのAI PaaSを導入しました。顧客サービスや消費者ローンの承認を自動化するアプリケーションやプライベートクラウドサービスなど5つの追加購入にも成功しました。
- Baiduは、中国最大のテレビネットワークCCTVのオンライン部門と提携し、Baidu AI PaaSを導入しました。
- Apollo V2Xを導入した重慶市は、スマート交通インフラを5G化し、ロボットタクシーの配車業務をサポートしました。
- 成都(四川省)は、アポロと契約して車両間のV2Xインフラを導入しました。
自律運転
- アポロは北京、滄州(河北省)、長沙(湖南省)で完全自律走行の試験を行う許可を得ました。
- 中国初の完全自律走行型ライドハイリング「Apollo Go」が、2022年の北京冬季オリンピック開催地である首鋼公園で利用可能になりました。
- アポロゴーは、滄州市でロボットタクシーの配車を開始し、通常の配車と同様に、最低料金から走行距離に応じて課金されます。
- 市場調査・コンサルティング会社のChina Insights Consultancyによると、中国におけるロボットタクシーの市場規模は、2025年までに2,240億米ドルに達すると予想されています。
- 広州汽車集団は、アポロのネットワークに加わり、10社以上の大手自動車メーカーの新車にアポロ自動運転(ASD)サービスを搭載します。
- インフォテインメントを支えるDuerOS for Autoは、150万台以上の新車に搭載されており、2021年第1四半期の搭載台数は前年同期の2倍以上を記録しました。
その他成長への取り組み
- DuerOSの月間音声クエリは、2021年3月に66億件、ファーストパーティの音声クエリは39億件に達しました。
- IDC、Strategy Analytics、Canalysの調査によると、Xiaoduは2020年のスマートディスプレイの世界出荷台数で第1位、中国のスマートスピーカーの出荷台数で第1位となっています。
- 教育市場向けのスマートパッド「Xiaodu S12」を3月に希望小売価格1,699円で発売しました。
- AIチップのBaidu Kunlunは、2021年4月にポストマネー評価額20億ドルで第1ラウンドの資金調達を完了しました
モバイルエコシステム
- Baiduは、2021年3月にBaidu Appの月間アクティブユーザー(MAU)が5億5,800万人に達し、毎日のログインユーザーが75%以上に達するなど、強固なインターネットの基盤を強化しています。
- BJHのパブリッシャーアカウントは前年同期比40%増の420万人に達しました。
- スマートミニプログラムのMAUは4億1,600万人に達し、SMPの数は前年比74%増となりました。
- マネージドページからの収益は、Baidu Coreのオンラインマーケティング収益の35%を占め、前年の21%から増加しました。
BJH・・・パブリッシャーネットワーク。MCN、メディア、その他の専門的なソースからのニュース記事、写真、ショートビデオ、ライブビデオ、拡張現実クリップを集約し、検索、フィード、ショートビデオ製品を通じて配信することができる
スマートミニプログラム・・・ショッピングや配達、レンタルなど従来は単独アプリとして提供していたようなサービスを、ユーザーに別途アプリを追加インストールさせることなく利用してもらうアプリ
マネージドページ・・・サイトのオーナーがBaiduのプラットフォーム上でアカウントを開設することで、検索結果などエンゲージメントに、Baiduのツール、サービス、AIを活用して、より効率的に管理することができる
BIDU 2021 1Q 決算について
所感
今回の決算も非常に良い決算と思いました。
BaiduCoreの非広告収益はYoY +70%と前年同期比と比べ伸びてますね。決算書にも記載されてましたが、クラウドサービスとAIが牽引していると言えます。
非広告収益のYoYの推移は
- 2020 3Q:14%
- 2020 4Q:52%
- 2021 1Q:70%
と、順調に成長していると言えるのではないでしょうか。
個人的に、2020 4Q→2021 1Qの QoQがほぼ横ばいなのは気になりました。
(百度、毎年4Q→1Qで売り上げ高がガクっと落ちるので広告業界の季節性でしょうか。Googleにも同じ傾向がありました。)
どちらにせよ次の決算もここの数字は注目していきたいです。
収益構成について
以下、今回の決算の数字を拾って収益構成割合を可視化してみました。

ざっくり百度の収益は以下で構成されています。
- BiduCore:広告 → 検索サイトなどの広告業から得る売上
- BiduCore:非広告 → AIやクラウド、自動運転など、広告収益以外の売上
- iQIYI:動画サービス → iQIYIという中国におけるネットフリックスのようなサービス
やはり現状は「広告収益」に依存しているのが実態であり、「非広告収益」をどれだけ伸ばせるかが企業価値を挙げていく上で大事だと私は考えてます。
YoYから順調に推移していると見受けられますので、毎期の決算で注目したいと思います。
まとめ
今回は百度の決算のまとめと、最後に少しだけ私の所感を述べさせていただきました。
特にクラウドや自律走行などのAI事業は力を入れているだけあって堅調に事業展開できているのではないでしょうか。
また、次回決算では2021年5月に商用化したロボタクシー事業の進捗も公開されると思いますし、引き続き日々のニュースを追っていきたいと思います。
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